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「死ぬ権利」について

「尊厳死」・・・無意味な延命措置を拒否し、人としての尊厳をたもつための本人の意思による死。

「安楽死」・・・本人以外に他者の意思が介在または入り込む余地のある死。




ワタシとは違う難病の方による

「死ぬ権利などクソ食らえ!」という尊厳死を完全否定する記事を見つけた。

「生きる権利」と「死ぬ権利」

ワタシはどちらも尊重したい。

「生きる権利」に関しては言わずもがな。

やはり議論の対象はいつだって「死ぬ権利」だ。



その方は

寝たきりになっても家族のために天寿を全うすると言った。

家族の方にも介護への覚悟があり理想的なケースだ。

しかしワタシはその先を違う角度で考えてしまう。

現実をみれば

覚悟をもってしても何年何十年もの長期に渡る介護は

痰の吸引など一歩間違えれば命に関わる行為もあるうえ

経済的な負担も大きく体力的にも精神的にも家族を疲弊させる。

身体の自由を失い、声も出せず、意思表示が困難な患者の場合

自分を介護するそんな家族を見て

どれだけ申し訳なく思っても

その時点でもう「死ぬ権利」など残っていない。

病気による自身への肉体的・精神的苦痛よりも

自分の存在が愛する家族を苦しめることへの罪悪感の方が

どれほどの苦痛と絶望を感じさせるだろう。




家族に介護されるということは

その家族の人生を自分が奪うことでもある。

介護疲れによる悲しい事件も起きている。

国による介護支援が不十分な現在では

尊厳死の否定はワタシにはまだできない。


by asian_cat | 2014-10-19 13:12 | 考えること